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2011年 05月 10日
昨日は、天使にからかわれているような、不思議な一日でした。 驚く私を見て、天使たちは笑い転げていたに違いありません。 1つも予定通りにいかなかったのに、 結局、思いもよらぬアプローチで、思ったとおりか、それ以上になった、 そんな、日でした。 さて、本との出会いも天使の采配、なんて大袈裟ですが、 あまりに絶妙なタイミングだと、そうとしか思えない時があります。 「読みごたえのあるお話しが読みたい!」という、私のリクエストに対して、 「このあの館」のこみやさんが選んでくださった、おすすめの逸品。 『あらしの前』 『あらしのあと』 (1943年) (1947年) ドラ・ド・ヨング 訳 吉野源三郎 岩波書店 1969年 小学校高学年・中学生~ カッコ内の年号は、原書の出版年です。 第二次世界大戦が1939年~1945年、 ドイツがオランダを占領したのが1940年ですから、 まさに、戦乱の最中に書かれた作品です。 舞台はオランダ、野うさぎが跳ねる長閑ないなかです。 「あらし」は第二次世界大戦のこと。 『あらしの前』は、戦争直前までを描いています。 フォン・オルト家の5人(1人は生まれたばかりですが)の子どもたち、 やさしく賢いお母さん、患者さんのために力を尽くすお医者様のお父さん、 よい香りがしてきそうな食卓、楽しいクリスマス。 穏やかで温かな日々。 そして、忍び寄る戦争の暗い影。 『あらしのあと』は、戦争が終わってからのこと。 フォン・オルト家と彼らの親しい人々が、 嫌な戦争の記憶と向き合い、立ち向っていく姿が描かれています。 お母さんのことば。 わたしたちがなにをしようと、それは戦争のせいじゃなくって、 わたしたちがするからするのです。 (『あらしのあと』 p20より) 不機嫌なのは、あの戦争のせい。 何かのせい、誰かのせいにすることは、なんて簡単なんでしょう。 その場しのぎにすぎないのに。 作者のヨングさんは、6人の子どものお母さん。 ナチス占領下のオランダからアメリカに逃げ、この本を書いたそうです。 きっと、オランダに親しい人たちを残してきたことでしょう。 故国が爆撃される中、どんな思いで書かれたかと思うと、胸がつまります。 そして、ドイツ人をひとまとめにして非難しないという姿勢は一貫しており、 ヨングさんの品格と知性と誇りの現れだと思います。 思慮深く繊細な次女 ルトをはじめ、登場人物の心情がとても丁寧に描かれています。 若い読者は、きっと、心の綾、巡らせ方、機微を感じることでしょう。 不安や悲しみ、苦しみを抱えるとき、その胸の内を細かく説明してくれることなんて、 普段の生活の中では、まず、ないですよね。 でも、お話の中では、ちゃんと教えてくれるのです。 いろいろな人の、感じ方や考え方を知ることは、 人の気持ちを察したり、自分の気持ちを言葉にして腑に落としたりすることを、 ずっと易しくしてくれます。 こみやさんが「いや~、泣いたなぁ」とおっしゃっていましたが、 私も泣きました。 涙で本を汚さないようにするのに苦労するくらい。 ずっと抱きしめていたい本。 たくさんの方に読んでいただきたいと思います。 こみやさん、感謝!! あ、この本を私の元に運んでくれた天使は こみやさんですね。 天使の羽と天使の輪、白いワンピースのこみやさん・・・ぷっっ(笑) ごめんなさいっ。 雨が降りだしました。 雨音、好きです。 アン
by books-05
| 2011-05-10 15:39
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