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2012年 03月 09日
今日はおとなの本です。
とても美しい物語。 中学生にもよいと思います。 『七つの人形の恋物語』 作 ポール・ギャリコ 訳 矢川澄子 角川文庫 1978年 (原書初版 1954年) 中学生ころ~ 『雪のひとひら』『ジェニィ』 私の中では、ポール・ギャリコ、美しい物語を書く人。 『七つの人形の恋物語』 “ 上質 ” という言葉は、この本のためにあるのではないか と思うくらいです。 本書には表題作「七つの人形の恋物語」と「スノーグース」が収められています。 どちらも、このうえなく美しい。 まさに珠玉です。 ギャリコの紡ぐ物語が美しいのか、矢川澄子さんの日本語が美しいのか。 ため息が出ます。 「スノーグース」 見かけこそ醜いけれど、美しい心を失わない画家ラヤダーと、白い大きな鳥、そして、 少女フリスの物語です。 ラヤダーは、人目を避けるようにたったひとり 燈台小屋で絵を描き、野鳥を保護しながら 暮らしています。 ある日、怪我をした白い大きな鳥を抱いた少女が訪れました。 少女は、鳥が南へ渡るまでの間、ラヤダーの家にやってきます。 毎年毎年。 いつしか、少女は美しい女性に成長します。 そして、世界は戦争へと。 好きだのなんだの、そんなことばは一言も書かれていないけれど、切ないほど深い愛。 全身が粟立ちます。 「七つの人形の恋物語」 こちらも、このうえなく美しい愛の物語。 お金も仕事も生きる希望も、何もかも失い絶望した うら若きムーシュ。 ムーシュ、というのは通り名で「蝿」の意。 ムーシュがいかに蔑まれてきたか分かります。 今まさに、セーヌ川に身を投げんとするムーシュ。 すると、人形芝居の小屋から、人形が話しかけてきました。 ムーシュは不思議な七つの人形と出会います。 この一座と行動を共にしたムーシュは人形たちと心を通わせていきます。 そして、一座の長 キャプテン・コック。 人の心の美しさ、醜さ、不思議さ。 ムーシュの純粋な美しさに心打たれます。 静謐な空気をたたえる美しい物語。 強さとともにある愛。 とてもおすすめです。 春を待つ静かな夜にいかがでしょうか。 アン
by books-05
| 2012-03-09 20:03
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